ハーモニートーク

なぜ日本人の残存歯率はこんなに低いのか。
歯を失わないために大切な「予防習慣」と「小児ケア」。

外国に比べて日本人の歯はボロボロ?

副院長:健康ブームと言われて随分経ちますが、なぜか歯の健康についての意識はまだ低いようです。口腔は心身の健康と密接に結びついているのに、とても残念なことです。

院 長:データを見るとわかるように、日本人は残存歯率がとても低い。この原因は子ども時代にあると思います。欧米に比べて「予防」があまり浸透しておらず、そのため虫歯や歯周病になる人が多く、ある程度の年齢になると歯を失ってしまう。

副院長:虫歯や歯周病は予防できますし、「子どものころにもっと気をつけておけば・・・」と後悔している患者さんが多いので、単純に予防する方法を広めることで残存歯率を高められるはずです。そこでポイントになるのは小児歯科医療です。歯の健康という観点からも、子ども時代はライスステージにおいて最も重要な時期と言えますね。

院 長:他の時期と決定的に異なるのは、乳歯から永久歯に生え変わっていく時期であること。治療や予防を慎重にしなければなりません。生え変わる歯のことを考えた上でのケアが必要になってきます。

子ども時代もいくつかの段階があります。

院 長:子どもが生まれる前から注意が必要だということに気づいてほしいですね。これまでの研究から、口腔の健康が生まれてくる子の健康に深く関わっていることが分っています。妊娠されたら自身の歯と口の健康について、あらためて気をつけることが大切です。

副院長:乳児期や離乳期に大切なのは、噛む機能の発達です。乳歯は0才のとき、臼歯は6才頃にできはじめます。歯が生えてくるとともに、虫歯菌の母親からの伝播や、虫歯予防を考えた母乳の与え方や離乳食を工夫していくことも必要になってきます。

院 長:幼児期(就学前)に口腔ケア、お手入れの習慣をつけることを忘れてはなりません。間食などの習慣にも注意が必要です。また、かかりつけの歯科医院を持つことにより、生涯を通じた歯と口腔の健康づくりを習慣づけすることが大切です。

副院長:学齢期(小学生・中学生)は、乳歯が徐々に永久歯に交換して、永久歯列が形成されます。間食・夜食・飲み物類などは控えめにして、主食をしっかり食べてよく噛むこと。それがお口の健康に大きく貢献します。

必要に応じて矯正治療も検討することをおすすめします。

院 長:子ども時代にこそ考えていただきたいのが「矯正治療」です。歯並びや噛み合わせが悪いと、虫歯や歯周病になりやすくなるだけでなく、食べ物をよく噛めなくなったり、コンプレックスを感じたりします。

副院長:子どもの頃から矯正を始めたら美しい歯並びになる確率がかなりアップし、精神的にも楽になることを知っていただきたいですね。

院 長:子ども時代は発育途上で上下のあごの骨のバランスを整えやすい時期です。あごの骨やその他の発達に影響を及ぼすような症例は、歯科矯正治療が効果を発揮する場合があります。

副院長:噛み合わせやあごの状態は、呼吸や睡眠にも影響を及ぼすことが分かっています。健康な成長には健康な歯並び・噛み合わせが必要不可欠なのです。矯正に適当な時期はいつか、という点についてはさまざまな考え方がありますが、習癖・成長・口腔トレーニングを総合的にできる子どもの時期を当院ではおすすめしています。

院 長:子どものときから歯科矯正治療を始めると、定期的にお口の管理をするため、虫歯や歯周病などの予防知識も身についてきます。そんな副次的なメリットもありますね。

家族みんなで取り組むと予防と治療の効果が高まります。

院 長:子どもに学ぶことも多いですね。子どもにはいろんな個性や可能性があって、それを感じられることがすごく楽しく、勉強なります。

副院長:子どもにも理解できるように、治療の説明はなるべくわかりやすく伝えるように心がけています。ただ、子どもから見たら歯科医は怖いものです。大人がそういうものだと決めつけている場合も多いので、先入感は捨てていただきたいですね。

院 長:同伴されている方とのコミュニケーションをとることもだいじ。保護者の方にもきちんと説明をして安心していただきます。そうすることで、ご家族と歯科医の関係が深まることを実感しています。

副院長:家族ぐるみでお口の健康を保つ姿勢が大切ですね。ご家族がいつでも相談できたり、コミュニケーションしやすい、親身になってくれるホームドクターを見つけてほしいと思います。